六本木駅から歩くこと15分ぐらい。
西麻布の交差点から乃木坂の方に向かった通り沿いに「三河屋」さんはあります。
西麻布 三河屋

外観はカナリ質素な佇まいで、フツーに歩いてるだけだと見逃してしまいそうな佇まい。
黒い引き戸と「三河屋」と書かれたノボリだけが目印だ。

これまでも、三河屋さんの定食メニューは何度か食べたことがあるのだが、六本木あたりでハラヘリモードになると、いつも脳裏をかすめる三河屋さん。
今回もガッツリ定食を喰らうべく、訪問してみた。

公称11:30の開店時間なんだが、11:00すぎには開店してるようで、早速入店。
ガラガラと引き戸を開けて入店すると、もうすでに8割ぐらいの席の埋まり様。
皆さん、どんだけフライングランチしとんねん♪って感じだ。。
ランチ時には行列ができる三河屋さんだが、昼前11時ぐらいからランチ求めて来る人がいるのもなんだか分かる気がするなぁ。ワシもその1人やな。。汗

店内は厨房に面したカウンター席とテーブル席の構成。
間口は狭いのだが、意外と奥に長く伸びる店内で、テーブル席のキャパもソコソコある感じだ。
まずはメニューを見てみた。
メニュー

- コロッケ、メンチ、ミックス、ハムかつ、チキンカツが1000円
- とんかつ、海老フライが1100円
- みそかつ1300円
の3価格のラインナップ。
西麻布という場所柄、定食メニューでも1000円ぐらいからの設定にはなるのだが、ごはん、味噌汁、キャベツお代わり無料という心の広いサービス付きなんで、六本木というハイソな土地柄でもむしろ安く感じる。
メンチカツの旨さは定評があり、元肉屋として最高のパフォーマンを誇る味わいだ。
これまではメンチカツ定食はワシのヘビーローテーションメニューにもなっていたが、三河屋さんのカツの集大成ともいえる「ミックス定食」を今回はオーダーしてみた。(ただ単に色々食べたいだけだ。。)

店内の壁には、三河屋の歴史が書かれてて、開店当時はお肉屋さんだった「三河屋精肉店」の白黒写真が貼られてる。
昭和5年創業で、もともとはお肉屋さんだったが、周囲の環境の変化もあり、12年前からトンカツなどを扱う定食屋として業態変更して再出発してるようだ。
なにげに昭和5年だと、創業後85年にもなるなぁ。すごいなぁ。。
店内はランチタイムのカナリ前11時チョイ過ぎなのに、三河屋さんファンを中心にほぼ満席状態。
早い時間だからか常連客が多いようで、オーダーをする前から店員さんが「今日は何にする?」みたいなやりとりをされてる。
メニュー表にはない「ハムメンチ」なるメニューを頼まれてる方もいて、常連を飽きさせない裏メニューもあるようだ。
厨房内では揚げ物担当の女子店員さん、大将らしき男子、ホールの女子2名の4人ほどど切り盛りされてる。

カウンターの上には、定食を盛り付ける皿が準備され、キャベツの山が盛られてる。
なんともアットホームな接客で、客に対する声掛けの1つ1つにに奇をてらった感じのない、心のこもった「まごころ」を感じる。
御飯のお代わり時の量の確認や、会計時の「ごはんは足りましたか?」などの一言一言に愛情を感じる。
チョイ前までは厨房を仕切る優しい女将の姿があっあのだが、あのころから心のこもった接客、キライなものは無いかの確認、そしてこころばかりのオマケ付きは今でも健在だ。
そしてオーダーから15分ほどで、ミックス定食が供された。
ミックス定食

ぬうおおおお~!
カツがテンコ盛りでカナリの種類で盛られてるぅ〜♪
メンチカツ、チキンカツ、コロッケ、ハムカツ。
三河屋さんの定食のキホンをほとんどを網羅してるラインナップだ!
どのカツも揚げ色はキツネ色を若干通り越してて、こんがり感のある揚げ色。

まずはマイお気に入りでもあるメンチカツを頂いてみた。
俵型になってて、来られた断面からは肉汁があふれる。
ソースとカラシをつけて食べると、口の中で肉汁とソースの酸味、そしてカラシのツンとした刺激が鼻孔をくすぐる。うまい。ビール飲みたい。
そのままでも全然イケル感じだが、やはりソース&カラシの誘惑にはかなわない。うまい。

衣は薄く、カリッと硬めでハードな仕上がり。
身の肉汁あふれるメンチとカリッこ香ばしい衣の相性が絶妙だ。

チキンカツは大判で揚げられたものが、ミックス用に切り分けられて供される。
断面は1センチほどの厚みがあり、ミックスカツの中でも一際存在感が高い。
脂身少なめのヘルシーなチキンカツで、ソースとの相性は上々。
ごはんのお供として美味しく頂ける。

ハムカツは5ミリほどの厚みのあるハムが揚げられてて、こちらもソースとカラシでツン!とさせて頂く。
ハムカツというと薄いものが揚げられてる店もあるのだが、三河屋さんのハムカツはしっかり食べ応えがある。

そしてコロッケだが、これが何とも絶品だ。
ピンポン球よりチョイ大きいぐらいの大きさなのだが、ジャガイモの味をシンプルにそのまま味わえる感じで、変にこねくりまわしてないストレートなジャガイモ感。

パカっと割ってみたも、そこにはジャガイモしか見えない。
お肉屋さんのコロッケなんで、ひき肉などが加えられたものを連想するが、ジャガイモそのものの旨さを堪能できるコロッケ。
なんというか、「やさしさ」というコトバがしっくりと来るコロッケの味わいで、変に背伸びしないありのままのジャガイモ感が伝わってくるコロッケ。
なんとなく提供する三河屋さんのスタンスが実感できる優しさやなぁ。

御飯は大き目の茶碗に盛られてるが、メンチカツをはじめとしたミックスカツが多めの内容なんで、当然お代わり無料の御飯をいただくのだ!
お代わりの御飯の量もいちおう確認してくれるので、少なめや半分などのオーダー可能だ。ワタクシはしっかりフツー盛りをば!!

2杯目からは卓上のふりかけ「さるかに合戦」をかけながら頂く。
ふりかけの代名詞「のりたま」とは違う海苔の風味に特化したふりかけ「さるかに合戦」
揚げ物の味わいを邪魔しない、シンプルかつ風味深い味わいのふりかけ。
最後は高菜の漬け物とさるかに合戦で御飯をカキコミ、完食だ。

食べてみると、
肉汁あふれるメンチカツをはじめ、素朴さがたまらないジャガイモコロッケまで堪能できて大大満足。
よく考えると、他のカツのラインナップに比べ種類が多いのもウレシイが、なんだか量に関しても多い気がした。
いろんな種類ものを食べる=お腹いっぱいになる方程式に当てはまるのかもしれないなぁ。
これまでは、マイお気に入りメニュー「メンチカツ」ばかり食べていたが、やはり三河屋さんのカツの集大成ともいえる「ミックス定食」は、全てを味わいたい時の欲張りメニューだと実感できた。

特筆すべきは、カツの旨さもさることながら、まごころ溢れる接客対応だろう。
入店してお店を出るまで、心のこもったアットホームな接客。
御飯がなくなりかけたら、
「ごはんのお代わりは、いかがですか?」
会計時には、
「ごはんの量は足りましたか?」
などなど。

しかも、お昼前から店頭に行列ができるにもかかわらず、食べ終わったお客さんを早めに出そうなんて動きは一切ない。
むしろ食後に「お茶をもう一杯いかがですか?」と追加で注いでくれ、まったりと食後の時間をすごさせてくれる。。
フツー行列ができるお店なら、次のお客さんを入れたいというお店の意図が見え隠れするものだが、三河屋さんでの食後のまったりモードは、むしろ推奨されてるようだ。
そして外で行列ができてるのに、まったり食後のお茶モードを楽しむ。
でも、なんだかゆっくりしてるのが逆に申し訳ないような気分にもなるんだよなぁ。。

カツの量でお腹いっぱいになるのもあるが、やはり心のこもった接客サービスが根底にあるからこそ、お腹も心も満たされて超満腹になれるのではないかとマジ思った。
お店を出る11:30ごろには、店頭にすごい行列ができてて、人気の高さがうかがえる三河屋さん。定時たるお昼休みよりフライングで、三河屋さんのランチに行列ができるのも納得やなぁ。。

人気が出たから味や接客が変わったというわけでなく、女将のいた時代から変わらない真心こもった味と接客。
三河屋さんで定食を食べるひとときには、なんだか都会の喧騒を忘れさせてくれるものがあるといつも思うなぁ。
お腹もいっぱいだが、奇をてらった感じのない、いつものアットホームな接客に心もほっこりして、なんだか胸もいっぱい。いつまでもアットホームな雰囲気で、この地で定食を提供し続けて欲しいと切に思うなぁ
西麻布でカツ気分のときは、またおじゃましたいな。
次回は食べたこのない定食のフラッグシップ「みそかつ定食」を食べてみたいなぁ。名古屋名物のアレがあるのがムショーに気になるなぁ。。
ご馳走様でした~♪
店名:西麻布 三河屋 「みかわや」
TEL:03-3408-1304
住所:東京都港区西麻布1-13-15
最寄駅:六本木、広尾、乃木坂
営業時間:11:30~14:30(ご飯なくなり次第終了)11:30チョイ前に開店、13時すぎにご飯がなくなることもあり。。
定休日:水曜、土日祝(※要確認)